人知れず道端に咲く花を…

僕と言う人…

自分でもひと言では言い表せないほど、複雑。

 

物凄く臆病で、神経質なんだけど、周りの人がびっくりするほど大胆な事やったり、心が動けば、考えるより先に行動していたり・・・。

 

例えば…、僕は凄い慎重派で、飛行機が怖いから、海外旅行なんて絶対に行かないって思ってたのに、突然一人で海外ツアーに申し込んで、しかも極度の人見知りなのに、当日まで会ったこともない人と同室に泊まったりする。

 

そんな事を誰にも相談せずにさっさと決めて、いつのまにか行動してたりする。

そんな感じで、自分でも未だに把握しきれない面がいろいろある。

 

そんな僕の中の、ある一面から生まれるものの一つに、絵本がある。

僕の描く絵本の世界は、実に素朴。

 

この前の個展で、ご来場下さった方々に読んで頂いた作品も、今、準備段階で温めている作品も皆、何気ない日常の中にあるような題材だ。

 

壮大なファンタジーやハラハラドキドキの冒険やミステリーみたいなものは、僕の中からは生まれて来ないんだよね。

 

 

そう、道端に咲く雑草みたいに、何気ない存在。

 

人によっては、気付かずに通り過ぎてしまうような、実に素朴なもの。

でもそんな道端の小さな花を見ると、心がほっとしたり、和らいだり、そういう事ってあるよね。

 

僕はそんな絵本を描いていきたいんだ。

だから僕は、僕の絵本を通して、

「ほら、こんなところにこんなに可愛い花が咲いているよ。」って誰かに囁きかけるんだ。

 

派手さも華やかさも無いけど、暖かくて、柔らかな空気を感じる、そんな絵本を描いていきたい。

 

 

実は以前、そういう自分の部分に、何故だか自信が持てなかった。

なんでもっと奇抜で面白いものが創造できないんだろう…。

 

そんな風に考えて、いくつか準備していた絵本の下絵などをそのまましまい込んでしまった。

 

現代アートを描き始めたのは、調度そんな頃。

ストーリーも何もない、自由な世界にどんどんのめり込んでいった。

こちらの世界は、僕の中の、また別の一面から生まれてくるもの。

 

絵本と違い、もっと強烈な印象。

これはこれで、大好きな世界だ。

 

そんな自由なアートを描くうちに、僕の心が、以前よりも柔軟になったんだろうな…。

素朴な絵本の世界に、自分自身が道端の花に気付かせてもらったような感覚を覚えたんだ。

 

これから先、絵本も現代アートも、どちらも僕にとって大切な存在であり続けるだろう。

 

もともと型にはまる事が嫌いな性分だ。

一つの世界だけじゃない、いろんな世界を持った自分を表現していくのには、いろんな方法があってもいい。

 

むしろ、いろんな方法があるからこそいいんだ。

 

つくづく僕は自由なんだなぁ…。

それをさせてもらえてる今がとても有難いなぁ…。🍀