僕にとっての3月15日という日

今日僕は 運転免許の更新に行った

誰にでもあるような ごく普通の日常のひとコマ

今朝も出かける前 お線香を3本あげて日々の感謝を伝えた

 

 

これは僕の日課なんだ

でも今日は いつもとちょっと違う気持ちで…

今日3/15は 僕の母の命日

 

本来ならば 免許の更新なんかじゃなくて お墓参りに行かなきゃいけなかったんだけどね

 

 

母の葬儀の日はね 清々しいほど晴れ渡って 桜が満開に咲いてたんだ

だからせめてもの気持ちで 今日あげたお線香は 「桜」の香りのお線香にしてみたよ

 

 

手を合わせて いつものように心の中で

「希のお母さん…」

って話しかけたあとに どんな言葉を贈ろうか…って思った瞬間
僕の頭の中に自然と「ありがとう」って言葉が響いてきた

 

だからそのまま

「お母さんありがとう ただそれだけ! ありがとうね」

って伝えたの

こんな事言っても 嘘だって思われるかもしれないけど
実は僕 母が亡くなったのが 何年前の事だったかをどうしても思い出せないんだ

 

数年前なのは確かで 忘れてしまうほど前の出来事ではないのに 本当にわからない…

何でわからないのかもわからない…

わかってるのはその日が3月15日だってことだけ

 

 

亡くなった事がショックだったとか 受け入れられないとかそういうのでもなくて
ただそれが いつの事で その頃の僕がどんな風に生きてたのか
何故か全く思い出せないんだ

 

あまりにも非常識だって思われそうだから 家族にもそんな事 とても聞けないけど
母がいなくなってから 本当は何年経ったんだろうなぁ・・・

 

 

今は父親とはやっと普通に話せるようになってるけど
僕はずっと家族に受け入れられてもらえなくて 家庭の中で孤立してたんだ

 

 

それが早くに自立するきっかけになったんだけど
本当はそんな事 望んでたわけじゃなかったっていうのが本音・・・

 

母は僕が幼稚園に通うようになった頃から、急に僕に辛く当たるようになっていったんだ。

 

それは徐々にエスカレートして
小学生になった頃には そこに父親も加わるようになった。

 

あまりに酷い時は、物音を聞きつけた隣の家のご夫婦が止めにやって来るほどだったり….。

 

それは長い間 僕が18の時に最初に家を出るまで ずっと続いたんだ

 

 

でも僕は一度も反撃しなかった

怖かったからじゃないよ

心の中では 反撃したかったけど でも敢えてしなかった

 

それはね 家族の中で僕だけが 暴力を受けた時の痛みをよく知ってたから

だから 僕は出来なかったんだ

 

 

自分の家族が痛みに顔をゆがめる姿なんて 見たくなかったから

そうした事を 今でも僕は正しかったって思ってる

僕は一度も家族を傷つける事無く生きて来た事を 誇りに思ってるよ

そんな風に育った僕だけど 小さな頃の僕はいつも思ってた

 

お母さんと手をつないで歩きたいなとか ぎゅっと抱きしめてもらいたいなって…

ばかみたいだけどね

 

子供ってどんな状況下にあっても 本能的に親の愛情を求めてるのかもしれないね

 

 

最近こんな事があったんだ

寝てる時にね 夢の中での事…

前後の状況は全く覚えてないし 映像みたいなものも見た記憶もなくて
感覚というか感情のようなものだけ覚えてるんだ

 

 

その夢の中でね 僕はもう今を最後に母と話す機会がなくなっちゃうんだって感じて
それがいたたまれない程のすごい恐怖に思えたの

 

母がそのままどっか遠くにいってしまうようで 僕は思わず

 

「お母さん!!」って呼んだんだ

そこで目が覚めたの

本当に声に出して呼んでたような気がする

 

いい大人が みっともないって思われるかもしれないけど きっと僕は今でも小さい頃と同じように
手をつないで歩きたくて ぎゅっと抱きしめてもらいたいんだろうな

 

 

もうとっくにどうでもよくなった事だと思ってたけど
一度も味わえなかった安心感を 未だに心のどこかで求めてるのかもしれないね

 

 

夕方 最近は陽が長くなったから まだ太陽が出てる時間
無事に免許の更新も終えて家に帰るとね 今朝は咲いてなかったスモモの真っ白い花が いくつも咲き始めてた^^

花が好きだった母が咲かせてくれたのかな

 

ありがとう…

 

歌ってるのを聞いたのは3度くらいしかなかったけど 機嫌が良い時は 童謡を歌いながら台所に立ってた母

 

 

いつも怒ってる声ばかりだったけど その歌声は
この真っ白なスモモの花みたいに とっても澄んでて綺麗だったのを

僕はちゃんと覚えてるよ🍀