「放課後」

集団で行動するのが嫌だとか そんな気持ちもあったけど

僕が学校という場が嫌いだったのは あまりにもたくさんの溢れるエネルギーが 充満する空間だったからだと思う

 

ざわざわとした落ち着かない気配 喧騒 そして中には僕にとって居心地の悪くなるようなエネルギーを発している子…

 

その全てが僕にはとても耐え難いものだったんだ

あんなに騒がしくて いろんな人 いろんな物が溢れてカラフルな世界のはずなのに

そこにある色も音も…そんないろいろは 僕の目にも耳にも そして心にも ただの闇にしか感じられなくてね…

 

酷く緊張して 身体は硬直し ふと気付くと息を止めてしまっているのではないかって感じるほど息苦しくて 

小さな頃は特にそれを強く感じて 「学校」と言う場所は とにかく恐怖の場でしかなかったよ

 

高校の時 積もり積もったストレスから重い病気を患って 一ヶ月ほど学校を離れることになったんだ

誰も頼れないって事を確信したから そこから僕は張りつめた時間を 自分でコントロールするようになっていったんだ

 

どんな場面でも我慢強くて生真面目だったはずの僕が 学校に関してだけ 自分の気持ちを何よりも優先して付き合うように強引に変えていった

 

僕は僕のペースで 学校というものと付き合うようにすることで「僕の心」いや それ以上に「僕の命」を本能的に自分で守ったんだと思う

 

本来なら留年や退学になってもおかしくないくらい 欠席も遅刻・早退もあったし 受けなかったテストや 名前だけ書いて白紙で提出したテストもたくさんあった

でも学校側の恩情なのかな 僕は何のお咎めも受けないまま卒業できたけど 本当は卒業なんていうものよりも 早く自立して広い世界に飛び出してみたかったんだよね

 

僕は家庭でも学校でも のびのびと子供らしい生活をした記憶が無い

残念だけど 恐怖と緊張の思い出ばかりが蘇る

そのせいなのかな…

今もまだ あの頃の夢見がちな子供の心のままで 僕は生きてるのかもしれない…🍀

 

「放課後」

(2017年「捲土重来」展示個展作品)

僕にとって「学校」は

 

色も無い 音もない 温度も無い…

そんな場所だった

 

ひたすら息をひそめて 帰りの時間を待つ

 

ようやく学校を飛び出して

いろんなものから逃げるように

バスに乗り 地下鉄に乗り

僕が見たい景色に逢いに行く

 

だってそこには

色とりどりの夢

美しいメロディーを奏でる希望

陽だまりのような空間があるから

 

ほんのひととき

僕は大きく息を吸う…

 

…noZomi🍀

 

=地球に 人に 優しいアートを=

僕らを育んでくれるこの星とあらゆる命への敬意、

そして魂の居場所である肉体に感謝を込めて…

       早川 希

図工室-letter

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