原石(gemstone)

人って「先入観」っていうものに左右されやすい。

 

世の中で流行るものは、その「先入観」に大きく左右されてるんじゃないかって思う。

そのもの自体が本当に好きとか、いいとか感じなくても、やたらと宣伝されていたりすると、その商品を買ってみたり。

音楽の場合だと、流行っているという理由だけで、良い曲だと思い込んでたり。

 

あとは、肩書一つでその人物の価値を決めてしまう人も、よくいるよね。

 

 

僕の絵は、この世の中ではまだ、地中に埋もれた「原石」だ。

 

敢えて「原石」という言葉を使うのは、

「磨けば必ず宝石になる」と、僕自身が強く信じているから。

根拠なんて何もないんだけどね。

 

そして僕には、肩書なんてものも何も無い。

美大もデザイン学校も出てないし、大きな実績だって無い。

だから誰かの「先入観」が入り込む余地なんてこれっぽっちも無いんだ。

 

でもそんな僕の絵を見つけてくれて、好きになってくれる人達がいる。

その人達は、何も持っていない僕の絵を、何の「先入観」も無しに好きになってくれたんだ。

それって、凄い事だなって思う。

「先入観」無しの、直感的な感覚だよね。

本当に有難いし、嬉しい。

 

だからこそ、これから先は今まで以上に魂のこもった作品を作っていかなきゃいけないって思ってる。

美術教育を受けてない事は、何の言い訳にもならないからね。

 

だって、絵を観てくれる人達には、そんな事、全然関係の無い事だから。

アウトサイダーだからこその何か…、教育を超える何かが絶対に必要なんだ。

観る人の心をガッチリと掴む何か…。

 

まだよくわからないんだけど、でもきっと、僕の中にはその何かがあるんじゃないかと自分勝手に確信している。

これもまた、根拠は無いんだけど…。

でもその確信が無ければやっていく意味も無いし、何よりも僕の絵を好きになってくれた人達に申し訳ない。

 

 

僕も、僕の描く絵も「原石」であり、今は新芽を出した若葉のように成長途中にある。

僕の絵を好きになってくれた人達は、その若葉のような新鮮さ、磨けば光りそうな石に直感的に魅力を感じてくれたのかな。

 

でも、成長途中だからこそ、この先どんどん変わっていくかもしれない。

変わって行く段階で、もしかしたら離れていってしまう人もいるかもしれない。

でも、止まってしまったら、同じような物ばかり描いていたら、それこそつまらないよね。

今も新しい作品をいろいろ手掛けているけど…。

 

 

いつも言ってるんだけど、僕は、絵を観てくれる人から、

「上手い」って言われるよりも「好き」とか「いいね」って言われる方が嬉しいんだ。

まあ、「上手い」って思う人は殆どいないとは思うけど。

 

二か月後には、個展を控えてる。

観に来てくれた人が、「この次も観たい」って言ってくれるような作品を描くのが、今の僕の使命。

そう言ってもらえないようじゃ、全然ダメだと思ってる。

 

ひとつひとつの作品にたくさんの想いと魂を込めるから、年3回の個展って、ある意味無謀だし、めちゃくちゃハードだけど、

何も持ってない僕は、とにかく観てもらう場を多くしたいし、直に作品と触れ合って貰える機会を大切にしたいんだ。

 

 

せっかく見つけてもらった「原石」。

いつの日か、満天の星のように輝いて、これから先もずっと、長く愛してもらえるアートを描き続けて行きたい。

 

それが今現在の僕が抱いてる夢。🍀

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