「捲土重来」僕の一歩
今ある力は出し切ったよ。
僕の個展「捲土重来」kendo cyouraiが終わった。
「今」と言っても、2週間ちょっと前かな、全ての作品を描き上げるまでの事。
新しい「今」は、もう個展が開幕した頃には始まっているから、正式にはもう「今」じゃなくて「過去」だね。
「捲土重来」とは、一度は敗れた者が後に態勢を立て直して、再び勢力を盛り返すっていう意味がある。
それを僕の挫折や失敗だらけの人生に当てはめて、今回の個展ではっきりと再起を図ろうという想いを込めたんだ。
僕の場合、正確に言えば「再び勢力を盛り返す」というよりは、ここで初めて勢いをつけて飛び出して行く…という形なんだけどね。
3月の個展では、とにかく色彩の世界を楽しく伝えたいという想いがあったんだ。
花が咲き乱れるような明るさで、笑顔を広げていきたかったから。
だから僕の心の奥の方にある物はあまり深追いせず、未来への希望や夢を描きながら、華やかに、新たな描き方をしてみたり、使った事の無い画材を使ってみたり….そういう意味での挑戦が大きかったな。
僕の内面。
はっきり言って暗いから、その時はまだちょっと深く掘りだす勇気みたいなものが無かったっていうのも正直な気持ちかな。
今回は「夏」。
エネルギーを感じる季節だよね。
思い切って過去の闇に触れる事で、まさに「捲土重来」、僕の中にある闇に抗うエネルギーをぶつけた作品を出してみる事にした。
結果、今回添えた「言の葉」は、抒情詩というより、僕の簡単な自叙伝のようになった。
そんな事をしながら気付いたんだけど、過去の闇が、僕の中でまだ「闇」のままだったら、こんなふうに掘り出す事は出来なかっただろうなぁ。
確かに僕が経験して来た重たい出来事の数々は、決して忘れられるものでもないし、今でも忌まわしい記憶。
それでも、僕自身がここ一年ほどの間で、それらを「闇」としてではなく、
学びとしての「経験」やこの先を生き抜いて行く為の「糧」
あるいはあらゆることに思いを馳せることのできる「宝」として捉えるよになってきた。
そのことによってそれらを俯瞰で見る事ができるようになってきたんだ。
もちろん全てが映画やドラマのように綺麗事で済まされるわけじゃないし、理屈だけで片付けられる訳でもないから、ふとした瞬間に引き戻されることもあるよ。
そんな時、僕はまだ、たった一人、ポツンと暗いトンネルの中に居る事を自覚する。
人の心なんて、そんなに簡単なものじゃないからね。
だけど、トンネルの先の光もちゃんと見えてるんだ。
それは僕が顔を上げるか上げないかで決まって来る。
以前はね、ずっとうつむいたままだったんだよね。
誰かが顔を上げてくれるのをただただ待ってるだけ。
でもね、僕は自分の経験から思う。誰かを待ってるうちは、何も変える事は出来ないって。
顔を上げる事が出来るのは他の誰でもない、自分にしか出来ない事。
すぐには歩き出せなくてもいい。
だけど、せめて誰にも頼らず自分の力で顔を上げてみるんだ。
そうすれば、必ず目に見える世界は変わる。確実に変わる。
少なくとも僕はそう感じたよ。
今僕は、顔を上げてトンネルの中から、遠くにある光を見てる。
そして「捲土重来」。 その意志を持ち、光に向かって一歩踏み出したんだ。🍀
☆今回の個展にお越し下さった皆様、応援して下さった皆様、
ギャラリー関係者の皆様、いつも丁寧に搬入してくれるドライバーさん、
中継地点と自宅を結ぶ配送に関わってくれている業者さん、
その他どこかで僕の力になってくれている方々、
全ての皆様に心から感謝いたします。
有り難うございました。☆
早川 希
=スターシードが創り描く☆地球に人に優しいアート= noZomi hayakawa(陽日希)2024秋の個展『自灯明』
地球に人に優しいアート
noZomi hayakawa(陽日希)
2024.秋の個展
『自灯明』
2024/11.25(月)-12.01(日)
11:00ー19:00
(最終日は17:00閉館)
ギャラリー元町
・・・
誰もが心の奥に持つ、内なる光。
それは自身の信念や志、願い、そして大切な想い...
誰かが照らしてくれる灯火を頼りに生きても、
果たしてそれが、自分の人生なのだろうか。
たとえ、今は小さな灯りだとしても、
僕は、内なる光である自分自身を拠り所として生きていく。
noZomi hayakawa(陽日希)