陽の当たる場所を探して 2017.11個展タイトル

来月の個展のタイトルは「陽の当たる場所を探して」

そう決めた今の僕の想いを書いてみたよ。

 

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子供の頃って、大人になると自由になれるって思ってた。

 

行きたいところに行って、食べたいものを食べて、欲しいものを手に入れて…。

あれはダメ! これはダメ!って言われることも無く、思うままに生きられるんだと思ってた。

高校生の頃も、あんな箱のような場所にギューギューに詰め込まれた学校に行かなくていい大人って、本当に自由で羨ましいって思ってたな。

 

いざ大人になってみると、確かに自由な部分もいっぱいある。

だけど気付けば今度は反対に、子供って自由でいいな、夢があっていいなって思ってたりするんだよね。

 

大人になると、知ってしまうから…。

ものごとには限りがあること。

自分の出来る事にも、行ける場所にも、出会える人にも、そして人生の時間にも…。

 

僕の場合、子供の頃、心も身体もたとえ閉塞された場所にいたとしても、頭の中では次々と夢を膨らませていた。

それはたぶん、まだまだ自分の未来には、永遠の時間があるような気がしてたから。

「またね」って何気なく手を振って別れた人にも、いつでもまた会えると思ってたから。

 

あの頃は、未知の世界がたくさんあって、そこにはいろんな夢や希望を描くことができたんだ。

自分が出来る事も、行ける場所も、出会う人も・・・。

自分に与えられてる時間に限りがあるなんて知らないから、そこにあるのは無限の可能性。

だから立ち止まってしまいがちな大人と違って、子供の心はいつも前を見て進み続けられたんだ。

でもね、僕は思うんだ。

誰でも、どんな人でも、心の片隅には今でも子供の頃、夢に描いたあれこれを大切にしまってあるんじゃないのかなって。

 

それは僕が実際にそうだから。

 

多くの人が現実の生活では、仕事や家庭に対しての責任とかいろいろで、夢なんて見てる時間も余裕もないかもしれない。

それでもふと、映画を見た時に、「こんな恋がしたかったんだな…。」とか、

美しい空や景色を見て、「こんな場所での暮らしに憧れてたんだな…。」とか。

 

そして時には、

本の中で見つけた言葉に「あの人から、こんな言葉をかけてもらいたかったんだな…。」

そんな夢というよりも、もっと切ない願いのようなものに気付く事もあるよね。

だから僕は、大人にこそメルヘンが必要なんじゃないかなって思ってる。

遠い昔に諦めてしまった想いや忘れかけてた小さな夢、心の奥でそっと夢見てた景色…。

そんないろいろを僕の絵の中に見つけて、ほんのひと時でも陽だまりの中で夢を見るような時間を過ごしてもらえたらいいな。

 

 

これまでの個展では、片隅のコーナーにメルヘンな作品を展示しながらも、大半は僕の過去の鬱屈した部分から出て来る挑戦的だったり破壊的だったりする作品が多かったんだ。

来月末からの冬の個展では、そんな過去を昇華して生まれてきた僕のメルヘン現代アートを約20点ほど展示する予定です。

僕が目指す、真の「ふわっと笑顔になれる言の葉アート」が今日も一枚、完成に向かっています。

この冬、ギャラリーに「陽の当たる場所」を探しに来て欲しいな。🍀

 

希 noZomi 第4回個展

「陽の当たる場所を探して」

馬車道大津ギャラリー(横浜市)

2017.11.30(木) ~ 12.04(月)

11/30(木)…14:30~19:00

12/1(金).2(土).3(日)…10:30~19:00

4(月)…10:30~18:00