「無駄」が作る優しい空間
僕は、本当に欲しいものしか買わないタイプ。
だから、そんなにたくさんの物は持ってないと思ってたんたけど、
長い間には使わなくなっちゃった物、何年も着ていない服、読み終わったままとっておいた本や雑誌なんかが結構溜まってた。
ちょっと前に「ミニマリスト」という人達が登場して、身の回りの物を最小限にして、すっきりと暮らす事の快適さを提案してくれたよね。
その頃僕も、少なからず影響を受けて、これらの不要になった物たちを一気に整理したんだ。
かなりスペースも空いて、確かにすっきりと快適になったよ。
それでも、どうしても傍に置いておきたい物ってあるよね。
それが空間にあるだけで、気持ちがふんわりと和らぐような物。
僕の場合、子供の頃からレトロな雰囲気の物にやたら魅かれるんだ。
例えばこんな手動のコーヒーミルとかね。^^
これは僕が小さい頃に、親がほんの一時だけ、サイフォンでコーヒーを淹れるのに凝った時期があって、その時に使ってたもの。
これで豆を挽くのはちょっと大変だったんだけど、なんだか面白くて、僕が豆を挽く係をしてたっけ…。
サイフォンの扱いが面倒だったみたいで、すぐに使わなくなっちゃったんだけどね。
土台のところが木製で、器みたいなところは真鍮なのかな…。
よくわからないけど、とってもお洒落な感じがして、そこにあるだけでも嬉しかったんだよね。
だから親には「使わなくても絶対に捨てないでね!」ってよく言ってて、結局僕の所に持ってきちゃった。
それからこれは、「箱膳」っていうもの。
僕が使ってるのはアンティークのものでは無いけど、江戸時代から昭和の初期まで、こういうものが家庭で使われてたらしい。
本来は中に一人分の食器を入れて、食事の時には、これをお膳として使うものなんだって。
買った当初は、あまり使わない食器の収納にするつもりだったんだけど、せっかくだからもっと活躍させたいなぁって考えた。
だから、僕の大切な仕事仲間である絵の道具の収納をお任せしたんだ。
その他にもこ~んな何の役にも立たないようなおもちゃだけど、僕にとってはめっちゃ癒しになってくれる子達も居る。^^
そしてこれは、今年の夏に新しく買ったアンティーク風の置時計。
古めかしいデザインの自転車が、何ともいい感じだなぁ…。
他にもまだあるんだけど、やっぱり今、一番思い入れが深いのはこれ。
ず~っと前に父が、妙にこだわって使ってた二眼レフカメラ。
扱いが難しいみたいで、いつもたった一枚の写真撮るのにも、えらく時間かかってたのを覚えてる。
それでもずいぶん使い込んだんじゃないかな。
このカメラの存在は長いこと気になってたんだ。
大切にしまってあったみたいだけど、先月どうしても傍に置いておきたくて、貰って来ちゃった。
僕はただ飾って眺めるだけなんだけど、気持ちが和らぐのは何故なのかな…。
無駄な物が何一つ無い空間っていうのも、きっと凛とした空気が感じられて、それはそれで魅力的かもしれないね。
でも僕は、ちょっと柔らかで暖かな空間が肌に合うんだな。
レトロなデザインの物って、その形とか色合いとか、そんなものから優しさが伝わってくるような気がする。
だから僕は、そんな優しい波動を伝えてくれるような物たちに傍に居て欲しいって思っちゃう。
外に出るとつい人の目が気になって、完璧にやろうとしたり、カッコつけようとしちゃったりする悪い癖が未だになかなか抜けない。
だから、気付けば結構クタクタだったりすることも多い。
そんな日も家に帰れば、他人から見たら有っても無くていいと思われるような「仲間達」が静かに迎えてくれる。
僕は思うんだ。
やっぱり人の心には、少しの「無駄」と「遊び心」って必要だよなぁって。
だってどんな時でも部屋の中に一歩入ると、僕を包み込む空気が、ふんわりと優しいから。^^🍀
=スターシードが創り描く☆地球に人に優しいアート= noZomi hayakawa(陽日希)2024秋の個展『自灯明』
地球に人に優しいアート
noZomi hayakawa(陽日希)
2024.秋の個展
『自灯明』
2024/11.25(月)-12.01(日)
11:00ー19:00
(最終日は17:00閉館)
ギャラリー元町
・・・
誰もが心の奥に持つ、内なる光。
それは自身の信念や志、願い、そして大切な想い...
誰かが照らしてくれる灯火を頼りに生きても、
果たしてそれが、自分の人生なのだろうか。
たとえ、今は小さな灯りだとしても、
僕は、内なる光である自分自身を拠り所として生きていく。
noZomi hayakawa(陽日希)