「陽が傾く頃に」

美しいものを素直に、無条件に、「美しい」って感動できる心。

そして、美しいものがそこにあるんだということに、ちゃんと気付くことができる「時間の余裕と心の余裕」。

それらを当たり前に持てるような世の中じゃなきゃ寂しすぎるよ。

多くの人々が、毎日満員電車に詰め込まれて、クタクタになりながらも一生懸命に働き続けて…。

それなのに老後の資産の不安とか、災害の後なかなか取り戻すことが出来ない日常とか、その他いろいろ。

たくさんの不安で、夢とか希望とか、美しいものどころじゃないのが今の世の中なんだろうね。

そんな現状、ぶっ壊していける方法…それが一体何なのかわからないけど、

まずは一人一人が夢や希望を放り出さないこと。

思考はエネルギー。

現状を作っていくって、僕は信じてる。

今を諦めちゃったらお終いだと感じてる。

世の中がおかしくなっちゃったのは、「人」の仕業なんだから、それを変えて行けるのも「人」のはず。

全然先は見えないけど、誰もが美しいものに心震わせることができるような世の中にしたい。

悔しいけど、即効性のある具体的な方法なんて、到底わからない。

だから僕は、今出来る目の前の事を思いっきり楽しむ。

全力で楽しむ。

目の前に広がる美しい風景を全身全霊で味わい尽くす。

そこに生まれるのは小さなエネルギーかもしれないけど、その波動を感じた誰かが僕と同じように、人生の時間を楽しんでくれたら嬉しい。

その波動がジワジワと広がっていってくれたら、いずれ大きなエネルギーとなって、何かを変える事が出来るかもしれない。

僕が大真面目に心に描く、浪漫溢れた壮大な夢。🍀

(2019年個展「solitaire…ひとり遊び」展示作品)

「陽が傾く頃に」

どことなく寂しさを感じ取れるものは

同時に 見事な美しさも持ち合わせていたりする

日中の溢れるエネルギーが行き交う風景から

徐々に熱が冷め始める時間

陽は西に傾き

遠くの空では 鳥たちの群れが家路に向かって流れて行く

空の色は刻々と変化して行き

その向こうで待ち構えている闇が ゆっくりと近付いて来る

その瞬間 言いようもない寂しさで僕の心が揺れる

それは 子供の頃からずっと変わらずに

僕と共にある感覚

寂しさを覚えながらも 僕の目に映る風景はあまりにも美しい

でもその美しさも わずかな時間で幻のように消えて行く

そして 静かな闇に包まれ始めたその時間もまた

より深い寂しさを湛え 更に美しい姿で僕の心を揺らし始める

…noZomi🍀

=地球に 人に 優しいアートを=

僕らを育んでくれるこの星とあらゆる命への敬意、

そして魂の居場所である肉体に感謝を込めて…

       早川 希