「ひとひら」
子供の頃 僕の家の庭にはたくさんの木々や草花が植えられていたんだ
離れて住んでいたおじいちゃんが庭造りが趣味で 僕が生まれる何年か前にその家が建ってから 毎週のように通っては少しづつ増やしていったらしい
僕が物心ついた頃にはもう ちょっとした植物園みたいにいろんな種類の木や草花が 虫や爬虫類とかたくさんの生き物たちと共にそこにあったんだよ
今にして思えば かなり狭い庭
だけど小さな僕にはじゅうぶんに広い場所だと感じていたんだから 不思議だね
子供同士で遊ぶことになかなか馴染むことが出来なかった僕は その庭の中でひとりで遊んでることが多かった
ちょっぴり寂しいような そんな気持ちもあったけど 他の子供達が怖かった僕は むしろ植物や生き物たちと触れ合う時間に安らぎを覚えていたような気がするんだ
ほんのひと時 誰にも邪魔されない心穏やかな時間…
小さな庭の自然達は 臆病で引っ込み思案だった僕を いつでも優しく迎えてくれた
今もね 散歩道の途中で似たような景色を見かけると あの頃と同じように ちょっぴり切なくて でもなんだか優しい空気が僕の事を包んでくれるような…
そんな気持ちで胸がいっぱいになるんだ🍀
(2019年個展「solitaire…ひとり遊び」展示作品)
「ひとひら」
あっ… 葉っぱのお手紙…
僕が受け取ってもいいの?
お家に帰ったらね
僕の宝物の箱に 大切にしまっておくからね
…noZomi🍀
=地球に 人に 優しいアートを=
僕らを育んでくれるこの星とあらゆる命への敬意、
そして魂の居場所である肉体に感謝を込めて…
早川 希